こんにちは、婚活アドバイザーの結城です。
今日は皆さんに、少し重たいけれど、とても大事な話をします。
それは「マッチングアプリに潜む偽装独身問題」について。
最近、東京地裁でこんな判決が出たのをご存知でしょうか?
既婚者の男性が、マッチングアプリで「独身」と偽って女性と交際。女性が訴えた結果、男性に200万円の慰謝料支払いを命じる判決。
(出典:朝日新聞(Yahoo!ニュース)「マッチングアプリで『独身』とウソ 慰謝料200万円命じる判決も」 2025年5月25日配信)
200万円——。恋愛トラブルでは済まされない、高額の代償です。
「結婚に至る一番のきっかけ」がアプリの時代
こども家庭庁の最新調査(2024年)によれば、ここ5年間に結婚したカップルの出会いのきっかけ、なんと1位は「マッチングアプリ」(25.1%)。
職場や学校よりもアプリが主流の時代になりました。
この数字だけを見ると、「アプリは効率の良い婚活ツール」と感じるかもしれません。
でも、現場にいる私は声を大にして言いたい。
「便利さの裏には、相応のリスクがある」と。
そして、そのリスクの最たるものが「既婚者の潜入」です。
なぜ“既婚者がアプリにいる”のか?
「えっ、アプリって独身だけのものじゃないの?」
……はい、それは“建前”です。
マッチングアプリの多くは、登録時に独身証明の提出を求めていません。
さらに名前、年収、職業も全て自己申告。
つまり、言ってしまえば「いくらでも嘘がつける」のです。
そして現実には、
- 夫婦関係が冷めているが離婚はしていない
- ただの遊び感覚で刺激を求めている
- 「バレなきゃOK」という感覚でやっている
という、倫理観のズレた“既婚者ユーザー”が一定数存在します。
嘘をついた代償は「貞操権の侵害」
今回の裁判では、「貞操権の侵害」が認定されました。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、
貞操権とは「自分の意思で、誰と性的関係を持つかを決める権利」のこと。
つまり、相手が既婚者だと知っていたら絶対に交際しなかった、性的関係を持たなかった——
この判断の自由を奪われた、という主張です。
そして裁判所はこれを認め、
精神的損害に対して200万円の賠償を命じた。
これは、遊び感覚で「既婚だけど独身ってことにしておこう」と軽く考えている人への、強烈な警鐘でもあります。
見抜けなかった自分を責めないで
ここで一つ、声を大にして伝えたいことがあります。
こうした被害に遭ったとき、
「私がもっと慎重だったら…」
「見る目がなかったんだ…」
と、自分を責める方が本当に多いです。
でも、それは違います。
婚活において、“相手の誠実さ”は100%自分でコントロールできません。
嘘をつく人が100%悪いのです。
とはいえ、現実的な対策も必要。
以下のような“行動パターン”には注意を向けてください。
要チェック!“既婚者っぽい人”の特徴5選
- 週末や夜間に連絡が取れない
→ 家族と過ごしている可能性大。 - プロフィールに情報が少なすぎる
→ 職業や居住地などをぼかすのは要注意。 - 「結婚は考えていないけど付き合いたい」と言う
→ 真剣に交際する気がない=すでに家庭がある可能性。 - ビデオ通話や写真共有を極端に嫌がる
→ 身バレリスクを避けている? - 会う場所や時間が“限定的”
→ 平日昼間限定、決まった場所のみなど、怪しさ満点。
これらの兆候を見逃さない“感度”が、自己防衛には必要不可欠です。
安心して婚活したいなら
私がアドバイザーとして繰り返し伝えているのは、
「マッチングアプリを使うなら、それにふさわしいリテラシーを身につけよう」ということ。
それが面倒だ、疲れる、と感じるなら、
結婚相談所のように「独身証明書」が義務付けられているサービスに切り替えるのも一つの手です。
恋愛に“安全装置”はありません。
でも、自分の身を守る“仕組み”を選ぶことはできます。
信頼の前に確認を
恋愛は信頼が命。
でも、その信頼の前には“事実確認”が必要です。
私たちはつい「信じたい」気持ちに引っ張られます。
でも、それだけで突き進むのは、まるでノーブレーキの車で高速道路に乗るようなもの。
信じることと、確認すること。
どちらも、あなたの未来を守るために必要です。
もし今、アプリ婚活をしているあなたが、
「相手はちゃんと独身かな?」と一瞬でも思ったなら——
それはもう、確認するべきサインです。
不安を放置しない。それが、大人の恋愛の第一歩です。